ぬいぐるみ姉妹の運命

私は妹と二人姉妹ですが、小さい頃からどちらもおもちゃには興味がありませんでした。
服装も髪形も男の子に間違えられるほどで、持っていたおもちゃといえば「ローラースケート」ぐらいです。
誕生日やクリスマスにもプレゼントを欲しがらなかったので、両親もこれ幸いとばかりにわざわざ高価なおもちゃやゲームは与えませんでした。
くまのぬいぐるみ
唯一好きだったものは姉妹揃って「くまのぬいぐるみ」で、安上がりな子供だったと思います。
最初はそれでよかったのですが、そのうち男の子とばかり遊んでいる私たちを両親や祖父母までもが心配し始めたのです。
同世代の女の子に人気のあるお人形やぬいぐるみを次々とプレゼントしてくれるようになりました。
幼心に「喜んだふりをしなければみんなを悲しませる」と思って、妹と二人でしぶしぶ遊んでいたのを覚えています。
それに気をよくしたのか周りのプレゼント攻撃はやまず、ついに部屋はぬいぐるみでいっぱいになってしまいました。
一度好きそうなそぶりを見せるともう後になって訂正することはできず、近所の人たちの間でもすっかり「ぬいぐるみ好きの姉妹」として定着してしまったから大変です。
クレーンゲームの景品からしゃべる人形から果てはなぜか木彫りの熊まで、もう博物館状態です。

ぬいぐるみ 景品
合わせれば軽く1000体以上はあったのではないでしょうか。
さすがに高校生くらいになるとそれ以上数が増えることはありませんでしたが、初めて部屋に招く友達には毎回驚かれていました。
月日は流れて私も妹も結婚して家を出ましたが、部屋はそのままにしてありました。
処分するのも気が引けるし、かといって持って行くこともできないので現状維持です。
そんなある日、近所の人がお孫さんと一緒に訪ねてきました。
なんでも学園祭のクラスの出し物が「縁日」だそうで、その景品を探しているというのです。
そういうことならぜひ有効に使ってくださいということで、コレクションのほとんどを譲渡しました。
幸いなことに保存状態は良かったので、景品としても十分活用できたと思います。
後日お孫さんから縁日が大盛況だったという報告があり、ぬいぐるみも全て景品としてもらわれていったということです。

例の木彫りの熊は争奪戦が起きるほど人気だったと聞き、笑ってしまいました。
自分で集めたコレクションではないにしろ、思い入れのあった子もいたのでガランとした部屋を見ると少し寂しく感じますが、次のもらい手が見つかってホッとしたという気持ちもあります。

大きなテディベア
ちなみに部屋に残っているのは、自分から欲しいと思った全長150cmのテディベアです。